三重大学とNTT西日本が締結した包括連携協定の一環として、医師の事務作業効率化を目指した実証実験が開始されました。今回の実証実験では、NTT製の大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」を活用し、電子カルテの要約を自動生成することで、書類作成業務の負担軽減を目指します。

実証実験の対象となるのは、「退院サマリ」と呼ばれる、入院中の治療経過をまとめた書類の作成業務です。この業務は1件あたり約30分を要することもあり、医師にとって大きな負担となっています。「tsuzumi」の活用により、カルテ情報から効率的に要約文を生成し、医師がそれを確認・修正する形で作業時間の短縮を図ります。
また、この成果は他の事務作業にも応用可能であると期待されており、医師の働き方改革や医療現場全体の効率化にも貢献することが見込まれています。

大規模言語モデル(LLM)とは?
LLMは、大量のテキストデータを基に学習された言語生成AIモデルで、ChatGPT(OpenAI製)などがその代表例です。NTT製の「tsuzumi」は日本語の処理性能を重視した設計となっており、医療分野での活用においても高い期待が寄せられています。

画像:実証実験のイメージ(プレスリリースより)