8月23日(水)、三重県立久居農林高等学校(以下「久居農林高校」)において、神事・産業用大麻研究における連携に向けたキックオフミーティングが行われ、本学から酒井理事と神事・産業用大麻研究プロジェクトのリーダーを務める諏訪部地域イノベーション学研究科教授、副リーダーの伴生物資源学研究科准教授、栽培体系確立担当の長屋生物資源学研究科准教授、齋藤生物資源学研究科学習アドバイザーが出席しました。

神事で使用される「おおぬさ」や「しめ縄」などの神具の多くには、国内でごくわずかとなっている大麻農家が栽培した大麻を収穫し加工した精麻が使われています。本プロジェクトで用いる精麻用の大麻栽培には栃木県で大正~昭和初期に開発された播種機と中耕機を使用します。この播種機は戦後からほとんど製造されておらず,多くの大麻栽培農家は戦前の現存品を大切に使用して精麻用大麻栽培の播種がおこなわれています。これらの機器は代用品もない大変貴重なもので、破損等により使用できなくなると大麻農家にとって大きな痛手となってしまいます。そこで、本学と久居農林高校は、県内の大麻農家の協力を得ながらこの貴重な農機具の複製と改良に連携して取り組んでいくことを計画しました。

ミーティングでは、久居農林高校の吉川校長と担当教諭、県内で大麻を栽培されている株式会社伊勢麻代表取締役社長の谷川原氏とともに,研究計画や農機具の複製と改良に向けた協議・意見交換のほか、谷川原氏による現在使用している精麻用の播種機(大正11年製造のもの)と中耕機の説明が行われ、出席者は高度な技術が用いられた大正~昭和初期の農機具の実物に驚きと感心を抱きながら、熱心に説明を聞いていました。

 
キックオフミーティングの様子                 谷川原氏による実機説明の様子


キックオフミーティング終了後の記念撮影